「海人が口を割らないから苦労したぞ」


「…どうしてここに」



場の雰囲気が張り詰めた


息をするのも苦しい



「…皐雅、お前は社長なんだぞ」


「それは解任しろと…」


「解任したなんて言ってない。お前は会社を無断で休んでたんだぞ、2ヶ月も!」



「え」



どういうことか、皐雅さんは理解したようだ


あたしもなんとか頭を整理した



「じゃあ、僕……」


「無断欠勤の罰として、異動だ。シンガポールに飛んでもらう」


え、え、え




「「え―――!!?」」


シェアハウスにあたしと皐雅さんの悲鳴が鳴り響いた