「僕の会社だ。トップに登りつめたのもこの僕だ。僕の才能があればパイプは必要ない」



「世間体とか、周りの目もあるだろう。ちょっとのことで我が財閥の評判が…」


「あんたの持ち物じゃない。自分の将来は自分で決める」


「皐雅」


「もう、あんたの好きにはさせない」



それだけ言うと、僕はベッドから立ち上がった



「……皐雅、どうするつもりだ」


「出て行く」


「なに?」


「こんな家、出て行くよ」



目に入ったものを、近くにあったカバンに詰めていく