なに言ってんだよ、兄貴 僕はフッと笑った ――そんなの決まってんだろ 「兄貴、僕だって子どもじゃないんだ。それくらいの区別はついてる」 「お前は死にかけたんだぞ!」 「それもわかってる。あいつは、そこまでする価値のある女だよ」 「……なに言ってんだよ…」 「兄貴にはまだわからないよ」 本気の恋すらしたことない兄貴にはな 兄貴を鼻で笑ってやった 僕にこんな考えを持たせるなんて、あいつもたいした女だ