「莉桜、莉桜――!」 あれからすぐに森に車を走らせた 夜はどこもかしこも真っ暗で嫌になる それでも何より莉桜が心配で、無我夢中で森に向かって走った 車を降りても息が苦しくなって仕方ない どうしたらいい 僕はどうしたらいいんだ 進んでも進んでも続くのは森 莉桜の姿はどこにも見当たらない そういえばさっき僕に話しかけた男の声――どこかで聞いたことあるような… ふと地面を見ると、見慣れたもの――莉桜の携帯が落ちていた