「わからないよな、当然だ」 「え?」 あたしの手を取り、ソッとキスを落とす 「今日は何も考えなくていい。ただ僕の傍にいれば、それで」 「………?」 皐雅さんの行動1つ1つに胸がときめくのは…… あたしが皐雅さんのことを好きだから 認めたくないけど仕方ない 気づいてしまったんだから 「……あの、皐雅さ…」 「ごめん、莉桜」 あたしの言葉は、皐雅さんの緊張した声に遮られた 「行かないと」 目線の先には、スーツ姿の男を何人も引き連れた会長の姿があった