「……カイトさん、すごい腕前ですね」



あたしをこのようにしたのは、すべてカイトさんだ



俳優だしお金持ちだし、メイクもファッションもお手のもの



すごい、すごすぎる



「あは、それはどうも。で、このブローチをつけて」


「は、はい」



どうしてこんなことになったか?



それはあたしにもよくわからないんだけど



仕事が終わってデパートから帰ろうとしたあたしを、カイトさんが無理やりここに連れてきた



入り口から綺麗に飾られたどこかのホテルだ



でもあたしには名前もわからない



身分の違いがよくわかる