はぁ、とため息をついて椅子に腰掛ける



「……てよ…」


「え?」


「じゃあ抱きしめてよ……」



あまりにも弱々しく泣くから、僕はたまらず抱きしめた



「………莉桜」


「皐雅さん…っ…」


「ごめん、ごめんな。」


「…っく…う…っ…」



ただ思ってるだけなのに、何で泣かせてしまうんだ


お前は何も悪くない


悪いのは決断をつけられない、この僕だ


「なぁ、莉桜」


「……う、ん?」


「今から僕の言うことを聞けよ?」


不思議そうな顔の莉桜に、僕は微笑んでから電話を掛けた



「…もしもし?頼みたいことがあるんだけど」