「ごめんなさい。あたし、女優じゃないから嘘は下手なの」 そう鼻で笑ってやがる このやろう……… 「まぁいい。僕は運転だってプロ並みにうまい」 「いいから早く出発して。急いでるんでしょ?」 こいつ……… 僕の調子を乱すのが特技なのか? 僕は無言のまま車を走らせた 「よし、着いたぞ」 「あぁーやっと帰り着いたぁ」 僕の運転の感想もなしに、そそくさと降りて歩いていく夏木さんの後ろを、僕は慌ててついて行く