「はぁ………」 ベッドの上、膝を抱えてため息をついた 壁にかけられた薄ピンクのワンピース、 テーブルに置かれたあの男の荷物を見ていたらなんだか落ち着かない どうしてこんな気持ちになるかもわからない 突然現れたかと思ったら、あたしを振り回して 平然な態度であたしに接するんだ まるで、この前のここでのキスなんてなかったみたいに… そうだ あんな男にとって、あたしとのキスなんてなんともなかったんだ きっとそう――…