「……はぁ」
切れた携帯をソファに投げ、椅子に深く腰掛ける
別に僕は、運命の相手との結婚を望んでるわけじゃない
いや、違う
僕の理想は令嬢で、華やかで美人な女だ
まさにこの手紙の相手のはずだろ
それなのに、僕の理想はどこかの誰かさんのせいで多少、歪められたみたいだ
じゃなきゃこんな気持ちにはならないはず
僕は見合い相手の電話番号をタイプした
「…もしもし、青条皐雅です」
途端に甘い声と黄色い声援が聞こえた
「少しお話があるんですが…」
思い立ったらすぐに行動をせずにはいられないのが、良くも悪くも僕の性格だ

