俺の姿に笑うのかと思いきや、男は瞳から涙を溢れさせた。


その涙が何故だか助けを求められているようで……。


俺は手を伸ばした。


何で泣いているんだよ?


そう言いたいのに声が出ない。


視界が霞んできた。



「一緒に来る?」



そう男が言ったのを最後に、俺は意識を手放した。



この出会いが俺の運命を大きく変えるなんて、夢にも思わずに。