それは隆の何気ない一言から始まった。


「真司、煙草はやるのに酒はやんねーのか?」
「……………うん。」


かなりの躊躇いがあって真司は頷いた。



「なんで?」


俺が便乗して尋ねると、真司は不服そうな顔をした。


「皆保警部に二度と飲むなって釘刺された。」
「おっちゃんに?」
「そ。お酒の味は好きなんだけどね。」



真司は肩を竦めて、息を吐き出す。


「じゃあよ、今夜はみんなで酒パーティーしようぜ。」
「ただ単にアナタが飲みたいだけなんじゃないですか?」


隆の提案に透かさず創が突っ込む。


いつもと同じ笑顔が怖い。



「ん、な事ねーよ。たまには男同士、杯を交わすのもいいかなーと思ってだな……」
「………………」



創の無言の視線が隆を刺している。



「創もたまには飲もうぜ。な?」


隆が誤魔化すように創の肩に腕を回した。



「……………」
「な?」
「……はぁ………まぁ、たまには悪くないですね。」
「だろ?おめーらも参加だからな。」



俺と真司を指差して、隆はニッと笑った。



「おう!」



と意気込んだ俺に



「翔一はまだ未成年でしょ。」


と真司が肩を竦めた。