塾や予備校の集まるこの駅。
学生で賑わっている。

バイト先につくと、荷物をおいたらすぐ受付をはじめるように言われた。

「あっ、はい‥」

もう夕方。
生徒が来始めた。

私は慣れないながらも作業をこなしていく。

とてもじゃないけど東条くんのこと考えてる場合じゃあなかった。


だから、その時私はだいぶ油断してた。

「先輩?」
聞き慣れたこえ。

「あっ、東条くん‥」

私はびっくりして、動けなくなってしまう。なんて言おう‥


「あ、受付お願いします。」
東条くんは普通の顔で受付で使う電子カードを渡してきた。

電子カードを機械に通して出席確認をしてから、表示される教室番号を生徒に言うのが私の仕事。
「あ、はい。えーと‥今日の授業は6Bの教室です。」



「ありがとうございます。今日、何時にバイト終わりますか?」

「えっ、あ、9時くらい‥」
「じゃあ、入口のとこで待ってます。」

「あ、うん‥私も話したいことある。」

「じゃあ、また。」


ちゃんと言葉整理しておかなくちゃ。
私はそのことばかり考えていてとてもバイトに集中しているとは言えなかった。

早く9時になってほしいようななって欲しくないような‥