「私、阿部ゆかり!よろしくね!」
その中でも大きな声で明るい笑顔ではなしかけてくれたのが阿部さん。

あぁ、この人はきっと、友達もたくさんいて、楽しい毎日を送ってきたんだろうな‥

そんなことを思う。

と、その時。
「あ、五十嵐おはー。」
「おはよ。」

誰かの声で気づく。
五十嵐くんだ。

五十嵐くんは教室に入るなり席につく。
思いきって挨拶してみる。
「おはよう。」
「あ、おはよ。」

それだけのことなのに胸がドキドキする。
と、五十嵐くんのまわりに男子数人が集まってくる。