これを見ると毎晩辛くて涙が零れそうになった。 でも必死に涙をこらえて泣かなかった。 俺の変な意地、みたいなものだったんだと思う。 「・・・懐かしいことって、割と辛いことが多いんだよな」 なんて独り言を漏らしながら、数少ない荷物をカバンに詰めていく。 ガタッ――― 途中、ふと俺の背後で物音がした。 すぐにそこを見るとすでに人の姿はない。 でも遠くへ逃げていく小さな足音が聞こえた。 ・・・多分、コトだろうな。