味噌汁の鍋をかき混ぜていた琴海を後ろからそっと抱きしめた。 ほっぺをくっつけると「なに?」と聞かれた。 こうやって抱きしめてちゃんと確認したいんだ―――。 「おはよう、ってこと」 「さっき言ったでしょっ。着替えないの?」 「あぁ」 ―――琴海がいるってことを。 琴海からそっと離れてキッチンを後にする。 俺はよっぽど重傷なんだろうな。 久々のスーツに袖を通し、リビングに戻れば食卓にはすでに朝食が並んでいた。