恍がステージ中央部へ向かったのを見届けて、俺は出口へ向かった。
もちろん、頭の上の邪魔なものはその辺に置いて。
「あの!」
出口の扉に手をかけたとき、運悪く誰かに声をかけられた。
しぶしぶ振り返るとそこには、多分後輩だと思う男子生徒が一人。
「なに?」
「沢村先輩が引き留めておけって・・・」
「・・・・・・」
申し訳なさそうに、モジモジしながら俺に視線を送る。
恍に脅されたんだろう、と見た目でわかるその仕草。
「・・・だ、だから、今帰るのはちょっと・・・」
「・・・・・・」
「す、すみません!」


