プゥッと頬を膨らませるその仕草が可愛くて、つい笑ってしまった。
「あっ」
「あ?」
そう言って琴海が指さした場所は、俺の持っているアイス。
そんなに怒ってるのか、と思ったら全然違った。
「つく」
「・・・あ」
それはアイスを持っている俺の左手の人差し指に、琴海と同じ事件が起きた瞬間だった。
こういう事件がまた起こらないようにと思って、食べてやったのに。
結局は同じことだったってことか。
「学ばないね、幸哉」
「学ばないも何も、これは避けようがないだろ」
自然と溶けてくるアイスを、置いたり落としたりするわけにもいかないのに、指につかないようにするのは不可能だろう。


