抹茶モンブラン

「あのね」

 紗枝は少し自嘲気味な笑みを浮かべて、再び口を開いた。

「何?」
「私……多分死んだら地獄に落ちるだろうなって思ってたの」
「……どうして?」
「だって、それぐらいひどい嘘をつきつづけてたんだもの」

 紗枝が言おうとしている事が全く予想が出来なくて、僕は返事に困った。
 次の言葉を言うまでに紗枝は相当葛藤していた。
 涙は消えて、苦しそうに眉をよせている。
 今からそれを告白する事で彼女の心が自由になるなら、何でも言って欲しいと僕は思っていた。

「見てもらうのが一番早いわ」

 そう言って、紗枝はゆっくりと車椅子から立ち上がった。

 僕は夢でも見ているのかと思った。
 立ち上がれず、下半身が動かないと言っていた紗枝が立ち上がった。
 そして、テーブルのへりに捕まりながら数歩あるいて見せた。