「ならすぐ支度して」
けしかけられるように帰りの準備をさせられて、私はいそいそと堤さんの後ろにくっついて歩いた。
ほとんど座った状態の彼しか見た事がなかったから、身長がどれぐらいなのかあまり分からなかったけど、後ろ姿を見ながら相当高いんだ……なんて、ちょっとびっくりした。
バスケットでもやってたんだろうか……と思うぐらいだ。
前夫を思い出すのは嫌なんだけど、彼は大のバスケ好きだった。だから、テレビで常に身長の高い選手を見ていた私は、こういう長身の人を見るだけで軽くブルーになる。
トラウマというにはまだあまりにも記憶が鮮やか過ぎて、少しでもあの人を思い起こさせるものがあると震えたりする。
「車で行かないといけない場所なんだ、乗って」
そう言われ、彼の車の助手席に乗った。
一度倒れた日に送ってもらっていたけれど、今回は意識もクリアで、必要以上にドキドキする。
ドアを閉められたとたん、何だか“逃げられない”という息苦しい気分になった。
バックミラーを軽く直して、堤さんは何も言わずにゆっくりと車は走らせた。
けしかけられるように帰りの準備をさせられて、私はいそいそと堤さんの後ろにくっついて歩いた。
ほとんど座った状態の彼しか見た事がなかったから、身長がどれぐらいなのかあまり分からなかったけど、後ろ姿を見ながら相当高いんだ……なんて、ちょっとびっくりした。
バスケットでもやってたんだろうか……と思うぐらいだ。
前夫を思い出すのは嫌なんだけど、彼は大のバスケ好きだった。だから、テレビで常に身長の高い選手を見ていた私は、こういう長身の人を見るだけで軽くブルーになる。
トラウマというにはまだあまりにも記憶が鮮やか過ぎて、少しでもあの人を思い起こさせるものがあると震えたりする。
「車で行かないといけない場所なんだ、乗って」
そう言われ、彼の車の助手席に乗った。
一度倒れた日に送ってもらっていたけれど、今回は意識もクリアで、必要以上にドキドキする。
ドアを閉められたとたん、何だか“逃げられない”という息苦しい気分になった。
バックミラーを軽く直して、堤さんは何も言わずにゆっくりと車は走らせた。

