衝撃的な事を聞き、お茶の入ったマグカップを持つ手が少し震えていた。
でも、こんなの鮎川さんには悟られたくない。
その場ではもちろん何も言えず、夜、遠慮もなく光一さんに直接電話をした。
出張から帰ってすぐに研究室に行ったらしい彼が電話に出た。
「もしもし、鈴音?」
久しぶりの電話だというのに、彼の声は落ち着いていた。
「光一さん、今日これから会えないかしら」
「これから?」
時計は9時をさしていて、私がこんな事を言い出したのはもちろん初めてだった。
「まだ職場にいるようだったら、私がそちらに行きます」
強い口調の私に、少し彼も驚いているのが分かった。
「いや、もう帰るところだから。これから鈴音のアパートに行くよ」
「……分かったわ。待ってます」
電話口では、これだけで精一杯だった。
これ以上何かを行ったら、何かすごい嫌なものが心にこみ上げてあふれ出してしまいそうで、怖くなった。
でも、こんなの鮎川さんには悟られたくない。
その場ではもちろん何も言えず、夜、遠慮もなく光一さんに直接電話をした。
出張から帰ってすぐに研究室に行ったらしい彼が電話に出た。
「もしもし、鈴音?」
久しぶりの電話だというのに、彼の声は落ち着いていた。
「光一さん、今日これから会えないかしら」
「これから?」
時計は9時をさしていて、私がこんな事を言い出したのはもちろん初めてだった。
「まだ職場にいるようだったら、私がそちらに行きます」
強い口調の私に、少し彼も驚いているのが分かった。
「いや、もう帰るところだから。これから鈴音のアパートに行くよ」
「……分かったわ。待ってます」
電話口では、これだけで精一杯だった。
これ以上何かを行ったら、何かすごい嫌なものが心にこみ上げてあふれ出してしまいそうで、怖くなった。