抹茶モンブラン

SIDE光一

長期出張、海外出張、どうしてか最近研究室に篭っていられる時間が減っていた。
体の疲労が激しすぎて、週末に多少空いた時間にも鈴音に会えない日々が続いた。
自分のアパートの惨状を見ると、彼女をここに呼ぶわけにもいかなくて、結局電話で軽く状況報告する程度に留まっていた。

もちろん会いたい。
会いたくて、不必要なほどメールを送ったりしていた。

それでも、鈴音はいつでも冷静だ。

丁寧なメールを返してくれて、決して取り乱したような言葉は使わない。
会えなくて寂しい事は伝えてくれるけれど、「どうして会えないの?」なんていう感情的な事は一切言わない。
これが彼女の強い部分だと思うし、思いやりの深い証拠だろうと思う。

分かっているんだが、本当はもっと「会いたい」と泣きついて欲しいと思ってしまう。

留守中に高田と何かあったような様子を感じて、僕は軽く切れかかっていた。