ある日、拓也の携帯が鳴った。
【着信】タケさん
3年は夏に部活を引退したし、タケと拓也は12月のあの出来事以来、関わりがない。
「…はい。」
「…拓也??」
「はい、何んスか??」
「ゴメンな。」
聞きたくない声に怒りを込めて答える。
「何のことっスか??」
しかし、雅紀が言った言葉は拓也にとって予想もしない言葉だった。
「もう…2ヶ月近く前の事になるけど…。ゴメン、違ったんだ。」
「…は…??」
「本当ゴメン。来夢ちゃんはやっぱ拓也一筋だったんだよ。」
「…今更、もういいっスよ…。嘘つかないで下さい。」
「ホントだよ!! 」
「じゃあ、俺に言ったことは何だったんスか??」
「…それは、オレの早とちりだったかもしんねぇけど…。
とにかくあの頃、来夢ちゃんはお前とずっといたじゃねぇか! 他の男と遊ぶ時間なんか無かっただろ?!」
「…わからないじゃないスか。だって、現に…。」
「…拓也! オレ…知らなかったんだよ!! お前と来夢ちゃんが付き合ってたって…!! でも、あいつが、いつもあいつが来夢ちゃんの話するから! だから…だからオレ、あの時来夢ちゃんはまだ雅紀の事が好きだと思ってて…! 」
「……あの、本当に意味がわからないんですけど。」
「ゴメン!! 本当に。お願いだから連絡とってみて!」

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