「拓也。」
「あ、タケさん!! こんちわ!!」

一年の廊下に来るなんてめずらしい…
そう思いながら拓也はタケに近寄った。
タケは2年でサッカー部の先輩だ。


「ちょっと、行こぜ~♪」
「え~、どこへスか~??」
「ちょっとそこまで。」

このタケはニッコリ微笑んだ。



「拓也には悪いと思ったけど、やっぱ言わなきゃと思って…。」

タケが拓也の一歩前を歩きながら言った。

「…何がスか??」

きょとんとして拓也が言った。

「雅紀と来夢ちゃん、両思いなんだ。」
「は…?? …あの、ちょっと意味がわからないんですけど…。」
「…これ、先週来夢ちゃんが雅紀の家に来た時、忘れてったらしいぜ。」

タケが見せたのは…
来夢の愛用ネックレス。

「!! それ…。」
「…だから…、ゴメンな。」

タケは拓也にそのネックレスを握らせると片手を軽く挙げて帰っていった。


……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!?!?!?!?!?!?!?


来夢の事は好きで好きで仕方ない。

でも、そう思うあまり俺以外のヤツと関係があると思うと許せない。

心が潰れそうに苦しくなるんだ。自分が変な衝動にかられそうで恐い。

嫉妬しすぎて、もう全て真っ白にしたいぐらい胸が痛い。

なんなんだ?!

本当なのか?!

どうすりゃいいんだよ!!