[中] 0o 恋と果実 o0


夜、来夢は雅紀に返信した。

<遅くなってゴメンなさい!! 瞳先輩から詳しい事は何も聞いてないですよ。>

在り来たりで適当な文章。その時はこれでもいいと思った。

~♪~♪~

思ったよりも早く雅紀からのメールが届き、少しびっくりする。

<そうなんだ。別れた…のは知ってるよね??>
<知ってます。…でもまだ、瞳先輩のこと好きなんですか?!>
<…違うよ。でも本当に俺が悪いんだ。>
<そうですか。でも、それも答えのうちですよね。>
<何でそう思う??>
<私の事ですけど、人の気持ちは変わるからです!!>
<そっか~。来夢ちゃんは、気持ち変わったんだ??>
<はい。私は憧れは憧れのままでいいと思いました。叶わない恋をいつまでも追いかけるより、
今、私だけを見てくれて隣に居てくれる人の方が必要だったんです。>

送信ボタンを押す指が軽く震えた。

このメールは私なりのケジメなんだ。もう、心揺らがないという誓いの意思。

<良い事言う!!♪ ありがとうな。>


今、私に必要なのは、雅紀先輩じゃない。

拓也です。