[中] 0o 恋と果実 o0


7時なのに辺りは明るく、まだ暑さが残っている。

来夢は川原へ着くと拓也の姿を探した。

「拓也…。」
「おす。久しぶり♪」

拓也は少し焼けていて、前よりかっこよくなったと思う。

まただ…。こんなにもドキドキする。

来夢は初めてこんなにも真っ直ぐ、拓也と向き合った。

「いきなりだけど、俺さ、本気で来夢のこと好きだわ。」

「…」

「先輩の事、好きなのは知ってる…。けど、いつも来夢の事考えちゃうんだよ。
だから、これからもずっと来夢に隣にいて欲しいんだ。」

「…私も、こんな私でよければ、拓也の隣にいたい…。」

「…う……そ??」
「嘘じゃないよ…、私、拓也が…。」

その瞬間、拓也が来夢を抱きしめる。

胸がキュンとする。嬉しくて泣きそうだよ。

「先輩は、もう本当にいいんだ…。…だから、拓也…。」
「…うん。本当に、嬉しい……。」

うわ…。こんなに体大きいんだ。

私は拓也の腕の中で、ゆっくり目を閉じた。


8月21日、私は拓也を選んだ。