[中] 0o 恋と果実 o0


プルルルルル…プルル…プッ

「はい!!」

久しぶりに聞く拓也の声はどこか懐かしい。

「…あ、拓也…?? 来夢だけど、今いい??」

緊張して声が強張る。

「余裕!! …どうかした??」
「べっ、別に!! 元気かな~って思って☆」
「毎日暑いけんな。元気。来夢は??」
「元気だよ…。ホント久しぶりだね。」
「おぅ。夏休みどう??」
「うん、楽しいよ。みんなと遊んだりしてる♪♪」
「そっか、俺、比較的夏休み嫌いになったから楽しい事起こってほしいし!!」
「なんで?! 休みいいじゃん??」
「暑いし~、部活長いし~、焼けまくるし~、勉強多いし~。」
「あはは♪」
「…会えんし。」
「…え??」

意味を捕らえるのに少し時間がかかった。

少しの沈黙が流れる。

来夢は思い切って言った。

「…私も、拓也と会いたいよ!!」

この言葉に嘘はなかった。正直な気持ち。
言ってから急に恥ずかしくなる。

「…は?!?! ///.」
「えと…あの…。」
「…来夢、今から緑公園の横の川原、来れる??」
「うん、すぐ行くよ。」