楽しい時間はすぐ過ぎるもので、ついに8月も下旬になった。
来夢の拓也への想いは確実に大きくなっていた。
でも、これが『好き』なのかわからない。
未だに先輩が頭をよぎることがあるし、ただ浮かれてるだけかもしれない。
そんな不安が大きくて、なかなか一歩を踏み出せずにいた。
しかしもうすぐで1ヶ月返事を待たせてることになる。
いい加減、何か返事をした方がいいのか…。
でも今、拓也と話したい…。
まだ返事も決まっていないくせに、話したい。
知りたい。もっと詳しく。
気付けばケータイを握っていた。
かけ…よう。拓也に。
自分でも驚いた。まさかこんな気持ちになるなんて。

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