「拓也君に助けてもらいなよ。」
未由が隣で寝転びながら言う。
今日は未由とお家デート。
「でもそれは、拓也に失礼じゃない?? 好きってわけでもないのに…」
「じゃあ、来夢は私を一目見たときから好きだったぁ??」
「はぁ?!?!」
「私は、来夢を一目見たときはまだ、可愛くて良い子っぽいなー♪♪しか思わなかった。」
未由の言っていることがよくわからない。
「でも、毎日を2人で過ごすようになって、どんどん来夢の良いトコ見つけてって、今では大好きになったんだよ??」
「う…うん、それで…??」
「だから、両想いから始まる付き合いと、両想いになっていく付き合いがあるんじゃないかなぁ。」
両想いから始まる付き合いと、両想いになっていく付き合い…??
私は、拓也のこと好きになれるかな。
ちゃんと先輩のことを忘れられるかな…。
「だから、拓也君と付き合うのも全然アリだと思うよ。まぁ、これは来夢の気持ちしだいだけど…。」
「うん。ありがとう。」
「しかもー、もう8月入るじゃん?! 海だよ、海~♪ 遊び盛りだよっっ!!」
「未由、俊君と行きなよ。」
来夢が笑いながら言った。
「うん!! って、来夢とも行きたいんだけど…。」
「まずは俊君と!! だって私が2人の仲、引き裂いてるみたいだもん。私たち、いつも遊んでるしさ♪」
「引き裂くとかないから!! でも、来夢も一緒に海行こうね♪」
未由がかわいい笑顔を浮かべて言う。
俊君は、未由の彼氏。高校に入学してすぐに未由が告られたらしい。
未由たちはもうすぐ4ヶ月だね。

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