「あ…」

雅紀が数メートル前の来夢を見つけ、口を開いた。

「こっ…こんにちは…。」

来夢は精一杯の作り笑いを浮かべ、会釈をする。

「こんにちはぁ♪♪ なに、雅紀の知り合い??」

顔を上げ、瞳を見る。正面から見た瞳は、目はパッチリしていて肌が白く可愛いかった。

「知り合い…っつーか、前に傘貸しただけかな??」
「なんだ、そうなの??」
「そうだよー。瞳、行こ??」
「ウン♪♪ じゃあね、青リンゴちゃん!!」

そう言って2人は腕を組んですれ違っていった。



『知り合い…っつーか、前に傘貸しただけ』