裏切りの恋


「今日はそろそろ帰るな」


もうすぐ面会時間が終わる。

明はあたしの頭をポンとたたくと、椅子から立ち上がった。


「明……」
「ん?」
「お願い。ちょっとでいいから……ぎゅってして」


その言葉に、明は一瞬困った顔をした。
だけどあたしの頭を引き寄せると……


「また明日な」


軽く背中をポンポンと叩いて、体を離した。


何も変わってない温もり。

だけど抱きしめる腕の強さは変わっていた。


「………うん…」


あたしは俯きながら答えると、明は苦笑して病室を出て行った。