「それで、そいつ、相手が上司だと気付かず電話してやんのっ」 「……」 「……夕菜?」 「……え?」 「え?って…。話聞いてる?」 「あ、ごめん……」 今日は金曜日。 あたしは約束していた通り、明の家に来ていた。 一緒にあたしが作った晩御飯を食べて、今はテレビを前にソファーでくつろぎ中。 隣で明が会社であったことを話してくれていたが、あたしの耳には全然入ってこなかった。 「大丈夫か?疲れてる?」 「あ、ううん!そんなことないよ!」 あたしは明に心配させまいと、笑顔を作って向けた。