裏切りの恋

 
「夕菜せんぱーい!ありました!
 まだ店長が……あれ?城崎さんもいらっしゃったんですか?」


二人の世界が崩れるように、エミちゃんの声が聞こえた。

その瞬間、あたしも我に返った。


「あ、それじゃあ帰ろっか」
「はい!城崎さん、失礼しますー」


あたしは裕翔の目を見ずに、ぺこりとお辞儀だけするとその横を通り過ぎた。

裕翔も、何も言わなかった。


当然…。
あたしと彼はもう終わっている。

今はもう他人なんだ。


「夕菜先輩?どうかしました?」
「……っ」
「え!泣いてるんですか!?」


なのにどうして、こんなにも切ないんだろう……。