裏切りの恋

 
時間は22時30分を回ったところ。

この時間なら、おそらくみんな帰っているだろう……。


ということは……


「エミちゃん、お店戻っても、開いてないんじゃないの?」
「あ!確かに!!………でも、覗くだけ覗いてみましょうよ!店長とかいるかもしれないし!」
「はいはい」


いつもなら、さすがに22時を過ぎれば誰もいない。
と言っても、エミちゃんは口で言っても聞かないので、寄るだけ寄らせることにした。


そして歩くこと20分。
半ば諦めモードで扉に手をかけると……


「開いてる!」
「え!?」


意外にも、お店は開いていた。


「ラッキー!じゃあ、ちょっと取ってきちゃいますね」
「はーい」


さすがにあたしはもう従業員じゃないので、中に入るのはやめた。

関係者口の前で、携帯をいじりながら待っていると、扉が開いた。


「早かっ……」


振り返って、全神経が止まった。


そこにいたのは……



「……ひろ…と……」



一番逢いたくなくて

一番恋しい人だった。