「はー、すっきりしたぁ!」
「そりゃ、あんだけ話せばね」
「やっぱ、夕菜先輩は話しやすいです」
結局後半はほとんどエミちゃんの話ばかり。
でも余計なことを考えずに済むので、エミちゃんとの時間は嫌いじゃない。
「さーて、帰……あれ、…あれっ!?」
「どうしたの?」
エミちゃんが鞄を漁って、何かを探している様子。
「ない!定期がないー!」
「えー!?」
どうやら、いつも持ち歩いている定期入れごとないらしいのだ。
「えっと…お店の中では、鞄は開けてないから、あるとしたら……お店だ!」
「あーあ…」
めんどくさいことになったなー、と思いながら、あたしはちょっと一歩引いた。
「そ、それじゃあ、あたしは先に……」
「もちろん、ついてきてくれますよね?」
エミちゃんは、ガシっとあたしの腕をつかむ。
その目は、笑っているけど、拒否権のない目だった。
「……しょうがないなぁ…」
「ありがとうございます!」
あたしは「はあ…」とため息をついて、エミちゃんと一緒にお店へ向かった。
大丈夫…
この時間なら、もういない……。

