それからしばらく、病院には行けなかった。
明の顔を見たら、おばさんの言われたことを思い出してしまいそうで、どうしたらいいのか分からなかったから…。
だけどこのままだと、いつになっても明の事故の真相を聞けない。
本当に、手首にそんな傷跡があるかも分からない。
あたしは最悪な事態になる前に、やっぱりもう一度明に会うことにした。
「え、退院したんですか?」
意を決して病院に向かうと、いつもの病室には明はいなかった。
慌ててナースステーションに聞いてみたら、明は今日の午前中に退院したと言う。
今日は月曜日。
確かに明が入院して、1週間が過ぎていた。
「すみません。ありがとうございました」
あたしは一礼すると、すぐに病院を出た。
今日が退院なら、きっとまだ家にいるはずだ……。

