裏切りの恋

 
《今日で仕事、終わりだったな。送別会、出られなくて悪い》
「いえ……」
《おつかれさま》
「……はい」


淡々と話される口調。

でもその一つ一つの言葉が胸に入り込んでくる。

城崎さんは、どうしてあたしに電話をかけてきたんだろう……。


そのあと、少しの間沈黙が続いた。

何か話したいことがあるのに、話せないといったようだった。


「……あの…」


あたしはどうしたらいいのか分からなくて、たまらず声をかけた。

そして少しの間があったあと、城崎さんがようやく口を開いた。


《ずっと……考えていたんだ》

「え?」

《夕菜に言われた言葉。夕菜への気持ち…》

「……」


それは、一番聞きたいような、聞きたくないようなことだった。