彼女は車内に入り、
迷うことなく優先席に座った






なんで優先席に
座ってるだろう…?
他の座席も空いてるのに…




なんて事を考えながら
僕は彼女を見ていた


実際、車内には
人はそれなりにいたが
席はポツリポツリとだが
空いている



優等生っぽい風貌の彼女が
そこに座っていたので僕の中では
余計彼女の存在が際立っていた




しばらくすると
彼女は鞄から文庫本を取出し、
ページを開いた


僕は彼女から視線を外した















何駅か通り過ぎ、
学校が軒並んでいる事以外
特に特徴のない駅に着いた

何気なくドアの方へ目を向けると
彼女はその駅のホームへ
消えて行った…