一階から沙希の叫ぶ声が聞こえた。
ビクッとして手が棚にぶつかる。
同時に鍵付きの扉の棚から、小さな日記帳が落ちた。

「ジュースないから、お茶でいい~??」
「お、おう!! 何でもいいよ!!」

ヤッベ焦ったあ~。
でも俺、そんなにわりぃ事は“まだ”してないよな...

と、そこまで考え、床に目をやるとさっきの日記帳らしきものがあった。

え?! ヤバい、早く戻さんと...!

拾い上げると、とあるページから写真がはみ出てきた。
そのページを開いて中に入れようとしたが、思わずジッとその写真を見つめてしまっていた。

鼓動が早くなるのを感じた。