もう猫になんか生まれない







(別に良いか)



クイなら。



カップルに見えようが男夫婦に見えようが別に良いや。



何年ぶりかの花見だ。



楽しめば良い。



「お前ヘタクソだな」



玄関にて。



どこをどうしたのか見事に縦結びになった靴紐を結んでやりながら、臨はじっと見下ろしてくるクイを見上げた。



「何?」



幸せそうな笑顔を浮かべて、クイは首を振った。