二人はしばらくの間、その場で語り合った。








それから、月は浪士組の世話をする小姓として、浪士組におかれることになった。


身寄りのない身としては、嬉しいことである。


その後に、月の体力は回復し、小姓としての仕事をこなせるようになっていた。


しかし、不思議な夢を見るようになっていた……。




寒い雪が降る荒野で、月は一人立っていた。


なぜ、立っているのか分からない。


手には刀が握られている。


戦でも始まるのだろうか……?



すると、荒野の彼方で大軍が現れる。


誰か先方にいるようだが、それが月には見えなかった……。





「………っ!!」


慌てて飛び起きる月。


だがそこは、雪が降る荒野ではなく、浪士組の屯所であった。


小姓となってから、専用の自室が一つ与えられていた。


月は起き上がり、部屋の障子を開けた。


外は雪が降る冬ではなく、温かな春であった。屯所の庭に咲く小さな花に、蝶々が飛んでいた。


すると、素振りをする音が聞こえてくる。どうやら、誰かが何処かで稽古をしているようだ。


月は着物を整えると、音がする場所へと向かった。


その場所へ行くと、隊士達が剣の稽古をしていた。


中には沖田や斎藤、藤堂達もいた。


「おはようございます。」


「おう、おはよう。」


「皆さん、こんなに朝早くに稽古ですか?」


「ああ、今日は交流試合をするからな!気合いを入れてやらないとな!」


「交流試合?」


「ああ、認められるんだよ。いよいよ俺達も本格的に動ける時が来たってことだ!」

空に広がる青空を見上げる原田。


いよいよ、浪士組の今までの働きが認められ、会津藩の庇護化に入るということだ。

寝ていた間に、浪士組の事情は聞かされていた。時より起きて、雑用をこなしていた時も、皆本当に忙しそうにしていたから、それが、どんなに凄いことなのか分かっていた。


「もうすぐ皆で、会津藩の屋敷へ行くことになってるんだ。そこで、殿様の前で交流試合を開くことになったんだ。」


「殿様にどれだけ俺達が凄いのか、知ってもらうチャンスだからな!腕がなるぜ!!」


「そうですか、なら、対戦相手は会津の方なんですか?」


「いや、違うよ。まさか会津の人をのせちゃうわけにはいかないし、僕たちだけで試合をするんだよ。」