「茉莉亜…ちょっとトイレ借りてもいいかな?」
勉強会をスタートさせてから15分くらい。
美紀が恥ずかしい顔で私にそう言ってきた。
「いいよ。えっとね一階おりたとこのすぐ横にあるよ」
そそくさと部屋を出ていき、美紀は一階におりていった。
…緊張してるのかな?
美紀本当可愛いなぁ…。
でもさっきから会話もないから本当ただの勉強って感じ。
いや、勉強会だからいいんだけど…。
どうすればこう、二人がぐっと近づけるのかな…。
「あー分かんないわ」
英語の問題集とにらめっこしていた祐樹がとうとう言葉を発した。
「えーっと…そこは…」
自然と私と祐樹の顔が近くなる。
ふと顔をあげると祐樹もこっちを見ていた。
あまりにも顔が近くて私はわざとらしく顔をそむけてしまった。
美紀の緊張が私にもうつっちゃったかな…。
「藤本?」
「あ!ごめん」
「で、続きは?」
「えっとね…」

