そして次の日。
私は自分を偽ることにした。
きっちりメイクをして、髪の毛もセットして。
朝ごはんもちゃんと食べた。
お母さんたちに笑顔を見せながら「いってきます」。
家を出ても嘘の笑顔を止めなかった私。
先生が来る前に電車に乗り込んで、学校に急ぐ。
電車内でもずっと私は笑顔でいた。
学校につくと、
サッカー部の朝練で来ていた祐樹に会った。
「藤本!!!!」
「おはよう祐樹!!」
私の明るい声に祐樹は一瞬驚いた顔をしたけど、
すぐに「おはよう」と返してくれる。
「茉莉亜!」
「美紀?」
美紀も朝練だったらしく、体育館に繋がる方から走ってきた。
「よかったよぉ心配した!!」
私の胸の中にうずくまる美紀。
「ごめんね美紀。あ、ノートとってくれたんだよね?教室戻ったら見せてくれる?」
「見せる見せる!!見せるよ!」
二人のこと。
大好きだから…。
巻き込みたくない。
絶対に。
…今度は私が守る。

