お兄ちゃんが何気なくテレビのリモコンをとり、電源をつけた。



『緊急速報です。さきほど出発いたしましたアメリカ・ロサンゼルス行き123便が日本の海上付近で墜落した模様!詳しい生存者はまだ分かっておりません』



私たち家族はそのテレビニュースを見て、固まった。


「…茉莉亜。清川先生が乗ってたのってこの飛行機だったりするの?」



私はテレビ画面をよく見た。

何度も何度も見直しても、恭平さんが乗った飛行機の便と同じ。





『墜落した原因はまだ分かっていません。出発する前にされた飛行機点検では問題はなかったとのことです』




「せんせ…」


恭平さんと呼び始めてからまだ何時間としか立っていない。



「先生…!!」



これから慣れていくつもりだった。



「キヨ先生っ!!!!」




やっと、


やっと、



本当の恋人になれたと思った瞬間だったのに。




『新しく入った情報です!!生存者は数名いる模様!!しかし、重傷を負っていて助かる見込みは少ないようです!!』




「神様…神様お願い。先生を…先生を助けて!!!!!」