「あ…」


私が美紀の恋を邪魔していた。
私と言う存在が美紀の幸せを潰していた。




「美紀…ごめんなさい…っごめんなさいっ」



謝っても、謝っても足りない。
私は美紀になんてことをしたんだろう。


「謝らないで!!!!」



うずくまる私に美紀は怒鳴った。


「どうして?茉莉亜…。どうして怒らないの?どう考えても茉莉亜のせいじゃないでしょ!!!!!」


「だって…私が美紀の恋、邪魔したんだよ?」


「違うでしょ!!茉莉亜は悪くない…何にも悪くないよ!」




美紀はうずくまる私の背中にそっと手を置いた。


「嫉妬しただけ…。全部あたしが悪いの。茉莉亜、お願いだから謝らないで怒鳴ってよ。美紀が嫉妬してるだけでしょって!!」


「私…」


「ごめんね茉莉亜。ほっぺた叩いたりしちゃって…。大嫌いなんて言っちゃって…」



美紀は私の頬を優しく撫でてくれた。


「…茉莉亜のこと大好きだよ。さっきの全部全部。嘘だよ」



"大好き"


この言葉はとっても温かい言葉だと思う。

冷たく冷え切った手を温かい手袋が包んでくれるように
寂しくなった心をふんわり包んでくれる幸せの言葉。




「拗ねてごめんね…茉莉亜」