「俺は藤本のこと子供なりに守ったよ。だからいじめにはならなかった。…でもさ、どんどん大人になるにつれて茉莉亜なんて呼べなくなった。胸が苦しくなって、息ができない時もあった」



あたしは自分の胸をおさえた。

藤井君…あたしもいま胸が苦しくて、息ができないよ?



これが恋なんだね。


「ああ、これが恋なんだなって」


藤井君はあたしと同じ想いをしていた。

でもそれはあたしじゃなくて、茉莉亜に。





「今でもずっとあいつのことが好きなんだ」


「…うん」


「俺!仲村とはいいダチだと思ってる。もちろん、藤本と仲村だってすごく仲いいし…。あいつのことよろしくな」










終わりを告げる音が鳴る。

「…花火上がったな」


「…上がったね」




綺麗な綺麗な花だった。