「うし、じゃあ仲村の家に行こう」
「美紀の家…」
「おう。確かまりあちゃんの家の近くだった気がするわ」
「はい。…でも、怖いです」
「…お前がビクビクしてたら一生このままだぞ」
「それは!!それだけは嫌です!」
「じゃあ今日のデートの続きは延期な?今から行こう」
「…今からですか!?」
「今じゃなきゃいつだよ。行くぞ」
「えっ…ええっ」
先生は立ち上がりレジでお金を払った後
まだ席に座っておろおろしている私の腕をつかんでレンタカーまでひっぱった。
「ほれ、早く乗れ」
「で、でも私まだ心の準備が!!」
「そんなのは車の中でしとけ!」
私は先生に言われるがまま車に乗った。
大丈夫。
きっと大丈夫。
会って美紀と話せば私の心のもやもやもすっきりするはず。
私は何に怖がってるの?
…怖がらなくても大丈夫じゃん。
お互いが何を言い合っても最後は仲直りができる。
私は美紀とそんな関係になりたいって思ってた。
今が、その時なんだ。

