13歳キヨside




-10年前-



「はぁ…」



僕は来週転校することが決まっている。

パパの仕事の都合とかなんとか。




「友達と離れるの嫌だなぁ」


転校するって聞いて思わず僕は家を飛び出してきた。


でも、行くあてもなく
結局いつも遊んでいた公園に来ている。




「パパとママ…心配してるかな」


そんなことを思いながら僕はブランコに飛び乗った。


ただ無心でブランコをこぐ。









「うわあああああああん」


大きな泣き声に
無心だった僕の心はかき乱された。



声の主を探すと、
青いワンピースを着た小さな女の子だと分かった。



「…どうしたの?」


うずくまって泣いていた女の子は
顔を上げると僕の顔をじーっと見つめてきた。



「…だいじなお人形さん、おとしちゃったの…ひっく」



その子はとても可愛かった。

全然年下なはずなのに
僕の胸はドキドキしたまま。