-花火大会当日-
そしてとうとう花火大会。
美紀が祐樹に想いをぶつける日。
私も久しぶりにキヨ先生に会えるから嬉しいな。
お母さんに頼んで浴衣を着つけてもらった私は
自分でメイクと髪の毛をセットした。
「茉莉亜あまり遅くなるんじゃないぞ」
「大丈夫よ。先生もいるんでしょう?」
「先生もいるよ!」
「なら平気ね♪あなた、心配しなくても先生がついているんだから」
「で、でもなぁ…」
「茉莉亜いってらっしゃい♪」
お父さんの不安そうな顔とは裏腹に
お母さんはとっておきの笑顔で私を送り出してくれた。
「いってきます!」
お兄ちゃんも彼女と花火を見る約束をしたらしくて
皆との待ち合わせ場所まで一緒に行くことにした。
待ち合わせ場所は屋台が出ている駅。
お兄ちゃんと肩を並べて駅まで歩いた。

