なんで俺じゃあかんねん

その言葉を聞いて、ハッとした。

「俺、前も言ったかもしれへんけど・・・

去年からずっと坂井さんのこと好きやったから。

だから、他に好きな人おるのに告られたからって、付き合うのはちがうやろ。」

真剣な顔をしてそう言ってのける。

なんだか責められているような気がした。

私は、他に好きな人がおるのに相崎くんと付き合ってたし、

今だって、真田くんと付き合えたらって思ってる。

最低かも。

「ねえ、真田くん。

私のどこが好きなん?」

勢いで聞いてしまった。

だって、ほんまにわからへん。

大して可愛くもないし、こんなこと考えてる最低な奴やし。

「え・・・!」

オムライスを食べていた手がとまった。

「いや・・・いろいろあるけど。

一番は、一緒におって楽しいところ、かな?」

楽しい・・・。

でも、それなら今後もっと楽しい女子がおるかもしれへんやん。

そう思ったけど、それを口に出すのは無神経な気がしてやめた。

「他にももちろんあるよ。けど正直よくわからんかも。

気づいたら、ずっと好きやったっていうか。

うわーー俺何言ってんねん!!!忘れて!!」


顔を真っ赤にして、それを隠すように両手で覆った。

軽く上を見ながら、深呼吸している。